「た・だ・い・ま〜」

「あ、あなた、おかえりなさ〜い」

「いや〜、今日も疲れちゃったよ」

「ご苦労さま。ご飯にする? それともお風呂?」

「もうおなかぺっこぺこだよ」

「うふ、じゃあすぐ用意するわね」

「今日のおかずはなんだい?」

「ふぐよ」

「うひょ〜、そいつは豪勢だなあ。」

「いただいたのよ」

「へぇ〜、誰に?」

「堤防で釣りをしてたおじさんよ」

「君のおじさんが釣りをしてたの?」

「ううん、知らないおじさんよ」

「・・・知らないおじさんがふぐをくれたの?」

「そのおじさんたら、釣るたびにぽいぽい捨てちゃうのよ」

「捨てちゃう・・・?」

「あんまりもったいないから、くださいなって言ったの」

「・・・」

「そしたら『そんなもの、どうするんだ』って言うのよ。ふぐを知らないのかしら」

「・・・」

「だから『ヒ・ミ・ツ』って言って、もらってきちゃった」

「・・・」

「帰ろうとしたら『それを犬や猫にやっちゃいけないよ』ですって。おもしろいでしょ」

「・・・え〜と、あの・・・」

「お待たせ〜。はい、約束どおりフグできました、なんちゃって〜」





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